SPN闘病録

SPN(充実性偽乳頭状腫瘍)を発症し、膵頭十二指腸切除をした人の記録です。

人生初めての入院

職場や家族に入院になった!と一報入れ、人生初の入院生活が始まりました。

膵炎の治療は2,3日ほどの断食と点滴による輸液をして、とにかく膵液が膵臓や他の臓器を溶かさないよう流し出し、2日に1回の採血でアミラーゼの値を見て経過観察されていました。一日にかなりの量の点滴を入れるので頻繁にトイレに行くことになったのと空腹がしんどかったです。

検査では、腹部レントゲン、エコー、造影剤CTによる画像診断をしてもらいました。

「膵頭部に1.2cm程の腫瘤があり、これが膵管を圧迫していたのが膵炎の原因と見て間違いないでしょう。腫瘤ですが、これが良性なのか、悪性、いわゆる癌なのかは現段階では判断出来ません。後日腫瘤の組織検査をします。」

正直実感がなく「あっそうなんですか〜」的な反応をして、担当医にことの重大さ気付いてるのかな?って顔をされたのを覚えています😅 あまりにも未確定事項が多すぎるのと膵腫瘍について何も知らなかったので、色々調べないと何の心構えも出来なかったです。

病室に戻って取り敢えず知らぬことには何も始まらぬとすぐに「膵臓 腫瘍」で調べ始めました。膵腫瘍について調べると真っ先に癌が出てくるのですがその他の腫瘍も多岐に渡ります。癌についてはどんな病気かある程度想像が出来たのでその他の腫瘍についてよく調べていました。

治療法についても調べていて、自分は膵頭部の腫瘍なので手術になった場合、膵頭十二指腸切除になるんだろうなぁと考えていました。膵臓の腫瘍は腫瘍だけを取ることはできず、膵臓の半分と胆のう、十二指腸も切除されると書いてあり、そんなに臓器取っていいの!?と驚きました。人体ってほんとすごい。国立がん研究センターのサイトがとても分かりやすかったです。

www.ncc.go.jp

www.ncc.go.jp

組織検査は胃カメラのついでに針を刺して取る方式でやってもらいました。麻酔を使って無意識下でやってもらったので特に痛みなどは無かったです。あとは大腸内視鏡で腸にも異常がないかを見てもらい、検査は一通り終わりになりました。

腸の方には特に大きな異常はなく、腫瘍については病理に出してもらい結果が出るまで2,3週間ほど待つことになりました。

膵炎自体は入院になった時点で治りかけだったらしく(※膵炎の重軽症の診断は難しく、軽症に見えて急に悪化することもあるそうなので、このときはかなり慎重に診てもらってました)、600あったアミラーゼの値は順調に200くらいまでに下がり、重湯から始まった食事も全粥が食べられるところまで回復していました。

最終的に入院は2週間ほどで、退院前日に病状説明を受けました。一旦は組織検査の結果待ちでそこからどんな治療が必要かなどの話をしていくことになりました。

病理検査の結果はSPN(充実性偽乳頭状腫瘍)の可能性が高いとのこと。治療はやはり外科手術が必要で経過観察も選択肢としてはあるが、既に膵炎を起こしているので切除することになると思います、と言われました。

膵炎発症から膵腫瘍が見つかり手術した話

今から1年ほど前の話になりますが、突然の膵炎発症からSPN(充実性偽乳頭状腫瘍)と診断された自分の話をしようかと思います。発覚当時、膵頭部のSPN発症について情報が少なく、治療法や術後経過のリサーチに苦労したので、少しでも同じような方の参考になるよう、自分の経験を記録として残します。なるべく情報入れられればと思い、かなり長文になりますのでいくつかに記事を分けて投稿していきます🙏

膵炎発覚前、上腹部の鈍痛が2日ほど続いたため、以前胃炎を起こした時にお世話になった胃腸肛門科の病院へ。薬をもらってその日中は様子を見ていたのですが、痛みは治らずむしろどんどん悪化。夜はまともに眠れませんでした(今思えばこの日が膵炎のピークだったのでは。と思います)

痛み止めも全く効かず、流石におかしいと思い、翌日もう一度病院へ行って血液検査と点滴をしてもらいました。そのまた翌日痛みは少し良くなっていて意外と大丈夫そうかな?と思っていた矢先、病院から電話が。

「昨日の血液検査の結果なのですが、膵臓の値に異常が見つかりました。大きい病院を紹介するので今すぐ来院できますか?」

ま じ か。
大きい病院紹介しますってブログとかドラマとか画面の向こうの世界でしか見たことがなかったのに、まさか自分の人生でしかも20代で聞くことになるとは...。

緊張しながら病院に着くと先生が手短に説明をしてくれました。

「血液検査の結果、膵臓の疾患の疑いがあります。検査の予約を取るのですぐに大きい病院に向かってください」

近くの大きい医療センターへタクシーで移動し、受付。採血や造影剤CTなどの検査をしました。(造影剤流し込むと身体がカッと熱くなるんですがあれは初見殺しでした…。下腹部もじんわり熱くなるのですが、漏らしたかと焦って撮影後挙動不審になり看護師さんに心配されました💦)

諸々の検査結果が出て、診療室へ。 腹部の画像を見せてもらったところ、膵臓が腫れていて膵炎の疑いが強い、とのこと。先生曰く、膵炎は死亡率が他の病気に比べて高く、入院する必要があると言われました。その時はだいぶ症状も治まっていたので能天気に

「えっ?いつから入院ですか?」

と聞いてしまい、先生に苦笑されながら

「今すぐです😅」

と返されました。

膵炎の原因は主に3種類で飲酒🍺と喫煙🚬、それから胆石だそうで、後は原因不明と。自分の場合、飲酒も喫煙もなく、CT見た限りだと胆石も無さそうなので、その場で原因は分からず、検査を含めての入院となりました。