SPN闘病録

SPN(充実性偽乳頭状腫瘍)を発症し、膵頭十二指腸切除をした人の記録です。

手術直後の状態

麻酔から覚めるとICUにいて、事前説明の通り身体中に管が刺さっていました。点滴が右手に1本、左手に2本、背中に痛み止めが1本、お腹に排液ドレーンが2本、鼻から胃に向けてチューブが一本。酸素マスクも付けられていて、体には大きな毛布が掛けられていました。麻酔のおかげで痛みはなかったのですが体はずっしりと重く、意識も少し靄がかかる感じでした。

目が覚めてからしばらくして夫と両親が面会に来てくれました。コロナ禍で面会制限が厳しく扉越しでしか会えないと聞いていたのですが、看護師さんが目の前まで連れてきてくれました。自分は力なく手を振るくらいしか出来ませんでしたが、労いの言葉を掛けてくれて、安心のあまり少し涙してしまいました。朝から手術をしていてこの時は夕方くらいになっていたと思います。

夜はそのままICUで過ごしました。寝るときは看護師さんが「横向きの方がいいかな?」と体の向きを変えてくれましたが、鼻のチューブが喉の苦しいところに当たっていて一晩中咽せ続け、巡回の看護師さんにめちゃくちゃ心配されました。明け方になって気づいたのですが横向きになってたせいで喉に当たっていたらしく、仰向けになっていれば問題なかったです。そこからようやく眠れたので睡眠時間2時間くらい。辛かった...😭

朝になって、寝た状態でも撮れるレントゲンを済ませ、問題ないことが確認されてから、やっとにっくき鼻チューブを抜いてくれました。「酸素マスクももういいね!」とベテランっぽい看護師さんに言われて酸素マスクも持っていかれましたが、まだ息苦しかったです。さらに「気が紛れるから!」とテレビをつけてくれてしばらくボーッと眺めていました。そこから少し経って

「今日HCUに移動しますね〜。隣の棟だから歩いて行こう!」

と言われました。

この状態で私、歩けるんですか!!??

術後翌日からリハビリ始まるらしいのは事前リサーチして知っていたのですが実際に言われるとあまりにも無茶振りでは????と思います。

点滴のスタンドに体重を預け、小さな歩幅で移動しました。立った時の体の重さが尋常じゃない。「体重計あるからついでに測って行こうか〜!」と明るく看護師さんが宣ってましたが私は半笑いでした。鬼畜。通りすがりの看護師さんにも「うわ!もう歩いてるの?若いってすごいわ〜」などと言われていました。ICUの看護師さん、みんなハキハキしてて生気を感じました。

無事HCUに移動して昨日眠れなかった分ゆっくりと眠りました。この日からリハビリも始まり廊下を往復して体を動かしました。大きな手術の直後でも案外体は動くもんだなと思いました。

翌日には一般病棟に戻ることになり、荷物が返ってきたので夫や友人に生存報告をし、気が紛れるかなぁと某ソシャゲにログインしてガチャを引いたらまさかの星5を引きました🌟🌟🌟🌟🌟術後のご褒美やん!とテンションが上がり夫に自慢して力尽きてそのまま寝てしまいました。一番心配しているであろう両親に連絡するの忘れてましたね。本当に申し訳ないと思ってます🙏(後で夫が連絡してくれたそうです。)